2013年3月3日日曜日

着物道part1


 若い生徒さんたちの話で、最終的には旨く着れなくても着物を

着る方が大切で、どんな組み合わせでも似合っていればいい

というような話を聞いていて、その通りだと思うし、タートルの上に

着物を重ねるのも、ブーツを履くのも可愛いし、私も大いに認めま

す。でもね、ホンの少しでいいから、着物そのものを理解して欲し

いかなと欲張ってしまいます。



 世界広しといえど、着物ほど、自分一人で着慣れるまでに着る

ことの難しい民族衣装はないでしょう。(確かにインドのサリーも

慣れるのに時間がかかります。)でも、着れるようになれば誰もを

美しく見せる衣装はやっぱり日本の着物が一番だと思いません

か。

 そうなんです。着物は着た人を見た目は勿論、内面まで変え

くれる魔法を持っています。そして、本当はとても簡単に着れるよ

うになるのです。いつも着ていると着物自体が、主に寄り添ってく

ます。ぬいぐるみでも着物を着せてやると一味変わって見え、

より一層愛情が湧いてくるのも不思議ですね。
 
 でも、それは現在だからです。昔の人は、身を隠す手段が洋服

ゃなく着物だったんです。これしかなかったのです。

 しかも、身分制度によっては帯も結べずわらの紐だけ、真冬で

も、着物は単衣で足袋も履かせてもらえなかった時代もありまし

た。一方の金持ちたちは、刺繍や金糸銀糸を散りばめ、華やかな

着物や帯を創作していきました。

 明治の終わりから昭和の初めでやっと庶民の帯や着物のおしゃ

れが定着してきたのですが、明治、大正、昭和の初期に、見た目

の身分制度もなくなっていき、庶民でも安価に手に入る絹が産ま

れてきました。色や柄の綺麗な銘仙や植物から糸を紡いだ交織

の着物が流行り(それらは現在ではアンティークと呼ばれてい

る。)着付けも人から見られる事を意識した着方になっていったの

です。簡単に結べる名古屋帯ができたのもこの頃です。

 戦後も着物生活は続きましたが、やがて海外から来た洋服が、

着やすい、動きやすい、安いので、主流になり、着物離れが加速

されていきました。祖母や母の着物は日の目も見ずにタンスの肥

やしになり、挙句にリサイクル屋さんにタンスひとサオ1万円

で買い取られ、今や、オークションやリサイクルショップで、安価に

手に入る世の中になってしまいました。


 ちょっと待ってください。着物は、1枚織っていくのにどの位の労

力と時間とお金と気力と体力と情熱と意思がかかるか想像がつき

ますか?糸を紡ぐのも、染めるのもどんなに苦労があるのかわか

っていますか?蚕を大切に育て、暑い熱湯に蚕をいれ巻いてい

る糸を釜の目の前でで紡ぐのですよ。そうして、次に機織りです。

1日に何センチも進まず、一人の大人で12mの反物に仕上げるに

はかなりの技術と体力と時間を要します。染料はといえば、草木

を探し、冷たい水に何度も晒し、たった1枚を何日もかけて反物に

染めあげるのです。私など、ここで講釈することがおこがましいほ

ど様々な工程をへて、私の、あなたの、着物になるのです。さら

に、着物は一人一人の身に合うように裁断し、縫ってあります。そ

れこそ、戦前の教育では女性は着物が縫えないとお嫁にも行け

ないのです。

  そうなんです。着物は、日本人の生活にあったように変化し、

今、新たに注目されているのですが、着物への意識が本来の着

物とかけ離れたものに変わっているように感じます。それは、あま

りにも気軽に手に入るからだし、家に余っているからでしょう。そ

れに、無料の着付け教室や道具をいっぱい使って簡単に着れま

すと唱った教室や。ネットの動画や本等などから自己流で着てし

まう若者たちや、こうして着物及び着付け教室やリサイクル屋を

ている私もいます。勿論道具は一切使いません。

 でも、でも、知ってほしいのです。着物は誰でも似合いますし、

簡単にも着れます。たくさんの人に着て頂きたいのも事実です。

着物の素敵さを貴女に届けば・・・・・・だけど、

 だけど、見た目だけじゃなく、大切に扱って欲しいのです。着物

は肩を出して着るようには裁断していません。着物を重ねて紐を

抜いていく方法を書いた本やブログもありますが、やっぱり紐や

伊達じめをしないと、はだけてきます。きつく締めなくていいので

すから。楽に着る方法はいろいろあります。私で良ければ喜んで

お手伝いさせていただきますね。

 着物が身も心も綺麗にしてくれるものであることを忘れずに理に

かなった着方で着てください。着物はあなたを裏切りません。

 1枚が出来上がる時間や人の手間や金額が高くなるのは仕方

のないことですね。安く手に入れたからといって、安物感覚で扱わ

ないで下さい。それに、現在は蚕は輸入物がほとんどです。化学

染料で染められた着物も増えています。だから、だから、古い着

物を大切に大切に貴女らしく着てください。貴女が一番お似合い

ですよ。


 
                 余章

着物を着たいけれど着れない人が
              着物を着るにあたって
                                         皆さんが着物に惹かれるのは自然の成り行きなんです。が、


着物を認めても
  
  自分で着れない

  どんな着物を着ればいいのかわからない

  高いから買えない

  母のはサイズが合わない

  季節にあったきものが分からない

  帯が結べない

  着物屋さんには入りづらい

  一人で着物を着てどこへも行けない

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 実は、なんかいろんな理由があって眺めるだけの人も多いんで

すよね。
                                        
 そんな人は桶蝶を覗いてください。着物のご相談出来るだけ

えましょう。



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